北京の空港で没収?中国におけるモバイルバッテリーの機内持ち込み最新情報

北京から日本に帰国する際に、2回ほどモバイルバッテリーを没収されたことがあります。理由は明確なのですが、同じように没収される人がいるかもしれませんし、さらに中国国内で飛行機に乗る際のモバイルバッテリーについて、2025年6月から新しい規制がスタートしています。

そこでここでは、北京に限らず中国旅行や出張などでモバイルバッテリーを没収されないための基礎知識や、注意点など最新の情報をご紹介します。新たな規制に対応したモバイルバッテリーも紹介しますので、これから中国を訪問するという方はぜひ参考にしてください。

目次

中国におけるモバイルバッテリー持ち込み基本ルール

日本では航空法第86条に基づき、モバイルバッテリーの航空機持ち込みについて次のルールが定められています。

  1. 機内預け入れ荷物に含めないこと
  2. 短絡しないように個々に保護すること
  3. ワット時定格量が160Whを超えるものは持ち込み禁止(100Whを超え160Wh以下のものは2個まで)

基本的な考え方は中国でも同じです。ワット時定格量が160Whを超えるものは強制的に没収となります。ただ、該当するモバイルバッテリーはそもそも日本から持ち出すこともできませんので、それほど問題になることはありません。

問題になるのは「100Whを超え160Wh以下のものは2個まで」というルールで、これは中国でも同じですが、中国の空港の場合、航空会社のチェックインカウンターで申請する必要があります。航空会社が許可したという証拠がないと没収になります。

また、100Wh以下のモバイルバッテリーも数が多すぎるとNGとなります。どれくらいを多いとするかは航空会社によって判断が異なりますが、たとえば中国南方航空では「お客様1名様につき携行可能な電子機器類は15台まで、予備用バッテリーは20個までにされます。」としています。

参考:機内持ち込み手荷物|中国南方航空

いずれにしても、日本出国時にOKだったモバイルバッテリーでも、帰国時にはNGとされることがあります。このため、特別な理由がなければ100Whを超えるモバイルバッテリーは中国へ持っていかないようにしてください。

3C認証マークがないモバイルバッテリーは国内線航空機内への持込禁止

「3C認証」ロゴ

これまでは上記のルールさえ守っていれば、モバイルバッテリーを没収されることはほとんどありませんでしたが(没収されるケースについては後述します)、モバイルバッテリーなどのリチウム電池製品が機内で発火や煙を出す事故が多発していることを受けて、2025年6月28日から新しいルールが追加されました。

「3C認証」ロゴがない又は鮮明でないモバイルバッテリー、さらにはリコール対象となった型番のモバイルバッテリーを中国国内便の機内持込みを禁止する

参考:中国国内便におけるモバイルバッテリー機内持込みの注意点|外務省海外安全ホームページ

これが新しいルールで、中国国内の強制製品認証である3C(CCC)の認証マークがないモバイルバッテリーとリコール対象品は中国の国内便には持ち込めなくなっています。

日本から中国に向かうときや、中国から日本に向かうときには関係ありませんが、たとえば羽田空港から北京首都国際空港経由で西安咸陽国際空港などの地方空港に向かう場合、国内線への乗り継ぎでモバイルバッテリーを没収されることになります。

もちろん、北京滞在中に他の地域に飛行機で移動する場合も、3C認証のないモバイルバッテリーは没収対象になります。困ったことに、現在日本で販売されているモバイルバッテリーのほとんどに3C認証マークがありません。このため、中国の国内便に乗る場合、日本で購入したモバイルバッテリーはほぼ没収されることになります。

そして、もうひとつ問題があります。今回の新しい規制を受けて、国際線でもモバイルバッテリーのチェックが厳しくなっています。私が没収されたのもそのためで、2025年のGWの時点では問題なく持って帰ってこれたモバイルバッテリーを2025年の8月に没収されてしまいました。

北京の空港でモバイルバッテリーの無料一時預かりサービス開始

ちなみに空港によっては搭乗前にモバイルバッテリーを預けるという選択肢もあります。同じ空港に戻ってくることが前提になりますが、あまりにも没収されるモバイルバッテリーが多いということで、北京首都国際空港および大興国際空港では、モバイルバッテリーの無料一時預かりサービスが行われています。

空港によっては有料での預かりになることもありますが、どうしても手放せないモバイルバッテリーであれば、預けておくことも選択肢に入れておきましょう。

北京首都国際空港預け場所
第3ターミナル:駐車場ビル1階のT3旅客サービスセンター
第2ターミナル:地下1階のT2旅客サービスセンター

大興国際空港預け場所
国内線出発エリア保安検査場外の京東(JD)エクスプレス窓口
※受け取りは大興空港遺失物取扱所に事前に連絡して受け取り日時を予約

日本国内でレンタルしたモバイルバッテリーは中国に持っていかないこと

中国に行くのにモバイルWi-Fiをレンタルするときに、モバイルバッテリーを合わせて借りることもできますが、これは借りないようにしてください。中国で国内線に乗らないとしても、帰国時に何らかの理由で没収される可能性があります。

レンタルだけでなく、友人から借りるのも避けてください。没収される可能性を考えて、できるだけ自分で用意したモバイルバッテリーを持っていきましょう。

北京の空港でモバイルバッテリーを没収されるケース

基本的には国際線でモバイルバッテリーを没収されることもなく、国内線も3C認証マークが付いていれば問題なく機内に持ち込めます。ところが実際に私は2度もモバイルバッテリーを没収されています。そこで、どのようなケースでモバイルバッテリーを没収されるのかについてお伝えしておきます。

  1. 160Whを超えている
  2. 100Whを超え160Wh以下のモバイルバッテリーが3個以上
  3. 航空会社の許可がない100Whを超え160Wh以下のモバイルバッテリー
  4. 3C認証マークが付いていないモバイルバッテリー(国内線のみ)
  5. リコール対象になっている
  6. 3C認証が取り消されている(国内線のみ)
  7. 型式やWh、3C認証マークの表記が薄れている

1〜5については、すでに説明したとおりですが、問題になりやすいのが6と7です。

実は3C認証マークが付いているモバイルバッテリーでも、認証が取り消されている製品は没収対象になります。そんなことがあるの?と思うかもしれませんが、Romoss、Anker、シャオミ(小米、Xiaomi)、UGREEN、BASEUSなどの有名ブランドでも、3C認証が取り消されたり一時停止されたりしている製品があります。

ただ、これらは国内線の持ち込みだけですので、直行便で中国に行くという場合には問題になりません。

実は意外と多く、そして私が2回も引っかかったのが「型式やWh、3C認証マークの表記が薄れている」という理由です。1回目は表記の部分がボロボロになってきたので、自分で削り取ってしまいました。そして2回目はモバイルバッテリーの側面に記載があり、それを検査員も私も見つけられず没収となりました。

表記を削り取るのは論外ですが、ずっと使っていると表記が薄れて読み取れなくなることがあります。没収されたくなければ、そのようなモバイルバッテリーは中国に持っていかないようにしてください。

空港で没収されたら素直に従うこと

モバイルバッテリーを没収される理由は上記のいずれかに該当するケースですが、実はチェックの厳しさは検査員によって個人差があります。このため「前回は大丈夫だったのに」ということも珍しくありません。他にも理不尽な理由で没収されることもあります。

そういうときは、素直に従ってください。抗議したところでモバイルバッテリーを機内持ち込みできるようになることはまずありません。運が悪かったと思って、帰国してから買い直しましょう。

対策:モバイルバッテリーを中国で購入 or レンタルする

モバイルバッテリーの没収が不安という場合には、そもそもモバイルバッテリーを持っていかないという選択肢もあります。最近のスマホはバッテリーが大容量で、1日くらいは問題なく使えます。とはいえバッテリー切れになるとスマホ決済ができなくなるので不安という人もいるはず。

そこでおすすめなのが次のいずれかの対処方法です。

  1. 現地でモバイルバッテリーを購入する
  2. 現地でモバイルバッテリーをレンタルする

日本人が訪れるような大きな街では、モバイルバッテリーは必須アイテムとなっているため、現地で購入するのはそれほど難しくありません。ただし、購入する際には必ず3C認証マークが付いていることを確認してください。また日本のPSE認証マークがない場合には、日本国内で使用できないの注意が必要です。

わざわざ購入するのはもったいないという場合には、必要に応じてレンタルするという方法もあります。北京や上海であれば、街のいたるところにレンタルモバイルバッテリーがあります。レンタルは専用アプリもしくはWeChatやAlipayのミニプログラムから行えます。

1時間で数十円程度ですので、日本国内で使えないモバイルバッテリーを購入するよりは、レンタルするほうがおすすめです(中国ライフ体験にもなりますし)。

北京の空港で没収されないおすすめモバイルバッテリー5選

基本的にはモバイルバッテリーを空港で没収されることはありませんが、没収されてしまったときのショックは想像以上に大きいものです。だったら、最初から北京の空港で没収されないモバイルバッテリーを日本で購入しておくというのも選択肢のひとつです。

この場合、3C対応のモバイルバッテリーを購入することになりますが、日本製のモバイルバッテリーはほぼ3Cに対応していません。このためAmazonなどで探して購入することになります。

自分で探すのは大変という人に、ここではおすすめの3C認証モバイルバッテリーを5つご紹介します。

Anker Zolo Power Bank

Belkin BPB011

Belkin BPB012

Belkin BPD006

VINKO V1001

まとめ:没収が不安なら3C認証モバイルバッテリーを購入しよう

SNSなどで「中国の空港でモバイルバッテリーを没収された」という投稿を目にして、不安に感じている人もいるかと思います。私も自分のミスもあって2回もモバイルバッテリーを没収されています。ただ、2回の没収経験から「基本的には没収されない」と判断しています。

気をつけなくてはいけないのが、メーカー名や型式、Whの表記が薄れて読み取れないモバイルバッテリーを持っていかないことくらいです。ただし、国内線に乗る可能性があるなら3C認証マークが必須です。

その場合はここでご紹介したモバイルバッテリーを事前に購入するか、中国国内で3C認証モバイルバッテリーを購入しましょう。そこまでしても没収された場合は、運が悪かったと諦めるしかありません。どうしても没収されたくないなら、現地でレンタルすることもご検討ください。

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