
北京で移動する場合には地下鉄やバスを利用すると、行動範囲がかなり広がります。でも外国人が地下鉄を使って移動する場合には切符を窓口で都度購入しなくてはいけませんし、バスは料金がわからないのでいくら払えばいいのかわかりません。そういうときに便利なアイテムが「一卡通(交通カード)」です。
ところが現在、外国人旅行者が「一卡通」を購入することができなくなっています(過去に購入した一卡通は利用可能)。その代わりに外国人向け交通カード「BEIJING PASS」のサービスがスタートしています。また、条件付きですがアプリを使って地下鉄やバスに乗ることもできます。
ここではそんな「BEIJING PASS」と交通系アプリについての情報をまとめて紹介していきます。
交通カード「一卡通」の代わりは「BEIJING PASS」

外国人旅行者が「一卡通」を購入できなくなり、とても不便な期間が続きましたが、この状況を改善するために、北京市は外国人向け交通カードとして2024年7月から「BEIJING PASS」を発行を開始しました。
「BEIJING PASS」は地下鉄はもちろんのこと、北京のバスや北京郊外鉄道、北京タクシーなどでも利用できます。さらに、八達嶺長城をなど北京の有名な公園や景勝地など30ヶ所でチケットが購入できます。
「一卡通」と大きな違いは、買い物で利用できる店舗が限られているという点です(現在北京市内で20店舗)。もっとも、買い物はAlipayかWeChat Payを使うのが一般的ですので、「BEIJING PASS」を利用できなくて困るというシーンはほとんどありません。
「BEIJING PASS」は、空港や駅などで身分証明書を提示することで購入できます。チャージは地下鉄の専用端末や窓口、「SilkPass」アプリが対応しており、チャージ上限は1000元。帰国時に払い戻しすることも可能です。
一卡通の代わりになるアプリ
2024年12月現在で、外国人が利用できる交通系アプリは次の2種類になります。
- SilkPass
- Alipay
このうち使い勝手がいいのは、スマホがNFCカードになる「SilkPass」です。「SilkPass」は外国人向けに開発されたアプリですので、現地の電話番号も身分証明書も必要ありません。
「Alipay」も何かと使い勝手がいいのですが、中国の携帯電話番号がないと地下鉄での利用ができません。観光スポットの多くが、中国の携帯電話番号がないと予約できない状態になっていますので、何度も北京に行くという方は中国の携帯電話番号を取得しておくことをおすすめします。

SilkPass
SilkPassは「亿通行」アプリの外国人版で、オンラインで利用開始できるスマホNFCカードを発行できます。モバイルSUICAやモバイルPASMOのようにNFCタッチで乗車できるので、スムーズに改札を通過できます。
また「BEIJING PASS」へのチャージもできるため、「BEIJING PASS」を利用する人もインストールしておくことをおすすめします。
中国の携帯電話番号 | 不要 |
身分証明書 | 不要 |
Alipay
Alipayに地下鉄用QRコード(乗車券)を発行する機能が追加され、Alipayと紐づけした状態で地下鉄やバスの乗り降りができるようになっています。地域によっては日本の電話番号でも使用できますが、北京では中国の携帯電話番号が必要になります。
中国の携帯電話番号 | 必要 |
身分証明書 | 不要 |

地下鉄はクレジットカードのタッチ決済にも対応
一卡通の代用品として「BEIJING PASS」とアプリをご紹介してきましたが、実はもうひとつ代用品があります。それがタッチ決済に対応したクレジットカードです。北京の地下鉄は改札がすべてタッチ決済に対応しており、クレジットカードをタッチするだけで地下鉄に乗車できます。
ただしクレジットカードの使用には次のデメリットがあります。
- 改札を通るたびにクレジットカードを出し入れしなくてはいけない
- バスはクレジットカードのタッチ決済に対応していない
最大のデメリットは、改札を通るたびにクレジットカードを出すことです。クレジットカードを財布から取り出すのは面倒ですし、ポケットなどに入れておいて落としてしまうとかなり面倒なことになります。便利ではありますが、そのようなリスクがあることを頭に入れておいてください。
さらにクレジットカードではバスに乗れません。バスを使って遠方まで行く場合には、バスにも対応している「BEIJING PASS」かアプリを使う必要があります。
詳しくは別記事で説明していますので、そちらもご参照ください。
