
北京ではタクシーは市民の重要な交通手段のひとつです。タクシー料金の目安が3kmで13元ですので、1元を20円で計算すると初乗りが260円ということになります。東京ですと約1kmで420円ですからなんと東京の1/5の値段ということになります。
タクシーをうまく活用できれば、かなりの時短になりますので、滞在時間が限られている旅行者の移動手段としては上手に活用したいところです。
ただ、北京でタクシーに乗るにはちょっとしたコツがあります。それを知っていないとそもそもタクシーを拾うことからできなくて途方に暮れることになります。北京でタクシーに乗るためのポイントについてここでは分かりやすくご紹介します。
アプリを使って配車するのがスタンダード

北京でタクシーに乗る場合にはアプリが必須だと考えてください。以前は流しのタクシーもありましたし、今でも捕まえられないこともないのですが、時間だけが無駄に流れていくことになりかねません。空港からホテルまで移動するようなケースを除いてアプリで配車してください。
北京でタクシーを配車する場合には、配車アプリ「滴滴出行(DiDi)」を使うことにになります。これだけインストールしておけば間違いないのですが、AlipayやWeChatでの支払いができるようになっていれば、ミニプログラムに「滴滴出行(DiDi)」が入っているので、追加でアプリを入れる必要はありません。
アプリでもミニプログラムでも、乗車するための流れは同じです。
目的地の施設や住所を中国語で入力します。中国語の入力ができない方は、百度地図などを使って、目的地の施設名や住所をコピーして貼り付けましょう。
対応可能なタクシーと料金が表示されますので、乗車したいタクシーを選びます。タクシーの種類は4つあります。
Express:普通車
Luxe:高級セダンorワンボックス
Taxi:普通のタクシー
Premier:ハイヤー
基本的にはExpressで問題ありません。
配車する車両を選んだら「Confirm」または「呼叫」ボタンをタップしてください。
アプリにタクシーの現在地が表示されますので、画面上で現在地にタクシー近づいてくるのを確認しておきましょう。タクシーが到着したら、まずはナンバーを確認してください。アプリに記載されているナンバーと一致したら、DiDi(Alipay・WeChat)に登録している電話番号の下4桁を伝えてください。
目的地はすでにアプリ経由で運転手に伝わっているので、説明する必要がありません。目的地に到着したらアプリ経由で決済を済ませてください。このとき車内で決済する必要はありません。急いでいる場合は、下車してから決済してください。
乗車は助手席が基本!ドアは手動
日本のようにドアが自動で開いたり閉まったりしませんので、普通の車と同じように自分で開閉しましょう。乗車は助手席が基本だと考えてください。ただし、後部座席を選んでもまったく問題ありません。
助手席に座る場合には必ずシートベルトを着用しましょう。していない場合には運転手さんに注意されます。
金額はメーターに表示されますので、それに従って支払いをしてください。空港から市内、市内から空港などのルートは高速料金が掛かりますので、表示金額プラス高速料金になりますので注意してください。
目的地は名前と住所を紙に書いて見せる
アプリを使う場合には問題ありませんが、流しのタクシーを捕まえたり、空港からホテルまでタクシーを使ったりするとなると、中国語で伝えなくてはいけません。ただ中国語の発音はかなり難しいので、現地で生活できるレベルの中国語でないと目的地をきちんと伝えることができません。
発音の問題だけでなく、運転手がその場所を知らないという可能性もあります(日本のように行き先を伝えるだけで目的地を把握してくれることはほとんどありません)。目的地は住所と合わせて紙に書いて見せるようにしましょう。念のために最寄り駅の名前も書いておくといいでしょう。
北京のタクシーはチップ不要(原則アプリ決済)
中国は欧米のようなチップ文化がありませんので、タクシーの運賃以外にチップを支払う必要はありません。しかも、配車アプリを利用すれば、支払いもアプリで完結するためチップを渡すタイミングもありません。
むしろ気をつけなくてはいけないのが、タクシーによっては現金払いに対するお釣りを用意していないことがあるという点です。たとえば運賃が40元だったとして、100元札を出した場合に「お釣りがない」と言われてしまう可能性があります。
このケースで、WeChat PayやAlipayでの支払いができないのであれば、お釣りを諦めるしかなくなります。かなり損をすることになるので、現金でタクシーに乗るときには10元や50元といった細かいお金も持っておきましょう。
安全に移動したいなら白タクはNG
北京のタクシー事情を調べていると、「白タクに注意」と記載されているサイトがいくつかありますが、北京ではすでにアプリ配車がスタンダードになっており、観光客が白タクを利用するようなシーンはほとんどありません。
ただし、空港や駅などには白タクが待機していることもあり、利用してしまうと割高な料金を請求されます。
それを回避するためにも配車アプリが有効です。観光で北京に行く場合には、基本的には配車アプリを使ってタクシー移動するのがおすすめです。配車アプリを使ってタクシーを呼べば、日本人だからという理由で乗車を拒否されることもほぼありません。
かつては白タクを上手く活用する必要がありましたが、今は白タクの必要性がまったくありません。好奇心であっても利用しないように心掛けてください。もしくは中国語での交渉ができ、どんなリスクも自分で負えるときのみ利用しましょう。