中国のネット規制は金盾(グレートファイアウォール・GFW)と呼ばれる技術が使われ、中国国内のパソコンやスマホからアクセスできるサーバーに制限をかけています。例えばグーグルのサーバーにはつながらないので、Google MapやG-mailは使えません。
これを回避する方法としてこれまで使われてきた技術がVPNです。VPNは仮想的に「日本のパソコンです」「アメリカのスマホです」という状態を作り出すことができます。そのため、金盾に引っかかることなくLINEやFacebookなどのサービスを使うことができるというわけです。
規制強化によりVPNが使えないケースが増えた
VPNの存在を中国政府は当然把握していますので、これに対する取り締まりを強化し始めました。以前は、重要な国家会議などのイベントが有るときに限って、VPNを使えなくしていましたが、今は本当に限られたVPNしか使えなくなっています。
VPNには無料版と有料版がありますが、2018年の段階では無料版のVPNはほぼ全滅状態です。有料版も徐々に使えるサービスが減っています。このままですと2019年には有料版も使えなくなる可能性があります。
特に北京は規制がとても厳しい地域ですので、基本的にはあてにしないのが一番です。「北京でLINEやFACEBOOKを使う方法」でもご紹介しましたが、手軽に使えるレンタルWi-Fiは、VPNを使っているものが多いため基本的には使えなくなると考えてください。
VPNは使えない前提で考えておく
現時点で最も確実なのが、SIMフリースマホと香港SIMの組み合わせです。ただし、2泊3日くらいのためにSIMフリースマホや香港SIMを買うのはもったいないですよね。
docomoとauは1日980円が上限のローミングサービスがありますので、そちらを利用しましょう。3日なら3,000円で済みます。SoftBankだけは、中国でのローミングサービスはかなり割高(1980〜2980円/日)ですので、下記リンクを参考に手元のスマホをSIMフリー化して、香港SIMを使いましょう。
VPNがまったく使えないというわけではありませんが、少なくとも北京旅行をする前には、現在使えているのかどうかを問い合わせするか、Twitterなどで情報収集するようにしましょう。
そして、つながらなくても問題ない環境を整えておくことも重要です。地図アプリやWeChatアプリなど、便利な中華アプリを事前に入れておくとネットにつながらなくても、数日のことですのでそれほど困ることはありません。
AppleのiCloudサービスならVPN不要
ちなみに、Appleの iCloud サービスなら北京でも問題なく使うことができます。実際の運営は中国のインターネットサービス会社 Guizhou on the Cloud Big Data Industrial Development Co., Ltd. (GCBD) が行っています。
中国の法規制にも準拠していますが、通常使う範囲においてはストレスなく(インターネット回線が遅いというのは除いて)利用できますので、VPNを用意する必要はありません。