中国ではfacebookやLINEなどのSNSを使えないと聞いたことがあるかと思います。これは2018年の段階でも変わらず、基本的に中国国外のアプリでのSNSはできません。facebookやLINEを使えると思っていたのに、現地で使えないことを知り困っている人をときどき見かけます。
これは金盾と呼ばれるシステムを使っているためで、中国で暮らす人たちは海外の情報が制限されている状態にあります。中国の人たちはそれでも国内で使えるアプリなどがありますので、海外好きでもない限りそれほど不便はしていません。
ただ、私たち観光客の立場からするとかなり面倒なことになります。海外旅行をするような人たちはSNSの利用率も高く、いつも通りにインターネットに繋がらないのはとても困りますよね。
中国の場合ですとGoogleのサービスがすべてNGですので、LINEどころかグーグルマップを使うことすら出来ません(もっとも使えたところで現在地がズレて表示されるので道案内には使えませんが)。
それでは中国や北京で日本と同じようなサービスに接続するにはどうすればいいのか。
- VPNを使う
- 日本のキャリアで海外ローミングをする
- レンタルWi-Fiを利用する
- 香港SIMを使う
基本的にはこの4種類いずれかの方法を使うことになります。ただし、それぞれにメリット・デメリットがありますので、使い分けが必要になります。それぞれの接続方法について簡単に説明します。
VPNを使ってインターネットに接続する
以前主流だった方法がVPNというサービスを利用してのインターネット接続です。北京などで暮らしている日本人や外国人の人は今でも活用していますが、旅行者にはあまり適していません。
VPNの技術はとても難しいため、簡単に説明すれば金盾の網に引っかからずにインターネットを利用できるサービスだと考えてください。例えばfacebookのページに中国からアクセスしようとすると、そのURLが金盾に引っかかります。
ものすごく噛み砕いて説明します。子どもがゲームセンターに行くのを禁止している家庭があったとします。子どもが「ゲームセンターに行ってくる」と言うと親はもちろん「ダメ」と言いますよね。
でも「友だちの家に行ってくる」と言えば「いってらしゃい」と友だちの家まで送ってくれます。そのあとに友だちとゲームセンターに行ったとしても、そこまでは親は関与しきれません。
金盾を抜けるVPNというのは、ここでいう友だちの家だと考えてください。いくらでも回避できるのは親(中国当局)も把握していますが、むやみやたらと「ダメ」とは言いません。ただし、国内の状況次第で、友だちの家であっても「ダメ」と言うことがあります。
実際に北京で大きな会議があるときなどは、VPNにつながらないということがよくあります。
無料のサービスと有料サービスがありますが、無料のものはほぼ使えませんし、有料のものですら、お金を払ったのにつながらないということがあります。朝は大丈夫だったのに夜には使えないということもよくあります。
居住者なら「またつながらない」くらいの感覚で「まぁいいか」となりますが、旅行者の場合はGoogle検索できないだけで、旅が難しくなります。LINEで連絡を取り合えないのも不便ですよね。このため、接続が不安定なVPNを旅行で使うのはあまりおすすめできません。
日本のキャリアで海外ローミングする
もしauかdocomoのスマホを使っているなら、それぞれの海外ローミングを利用してfacebookやLINEを使えるようにするという選択肢もあります。海外ローミングは高額と思われていますが、auもdocomoも中国なら1日980円で使い放題です。
旅行が2泊3日程度なら3000円以下ですので、それほど高額になりませんよね。わざわざSIMフリー端末を用意する必要もなければ、SIMを購入して設定する必要もありません。
残念ながらソフトバンクユーザーは、アメリカ以外の国で安く使うことができません。上限はありますが1日2980円とかなり高額です。ソフトバンクのスマホを使っている人は、海外ローミング以外の方法で接続がおすすめです。
レンタルWiFiを利用する
羽田空港や関西国際空港に行くと、ロビーにレンタルWiFiのブースがありますよね。あのWiFi端末を借りれば北京でもLINEやfacebookを使えるようになります。ただし端末によってはVPNを初期設定しているだけというものもあります。
すでにご紹介しましたように、VPNは中国当局の都合で簡単に締め付けが厳しくなることがあります。「VPNプラン」となっているものは、繋がらない可能性も頭に入れておきましょう。
とはいえ、自分でSIMカードやVPNの設定が出来ないという人には、レンタルWiFiがおすすめです。最近はVPN以外の方法でSNS接続できるサービスも出てきましたので、下記記事を参考にしてください。
香港SIMでインターネット接続する
海外に何度も行く人や、SIMフリー端末を使っているという人は香港SIMを購入しましょう。中国SIMじゃないの?と思うかもしれませんが、中国SIMは金盾にひっかかりますので、LINEもfacebookも使えません。
ところが香港は中国でありながら、中国のルールが適用されない状態にあるため、香港で使っているスマホを中国に持ち込んでも、そのまま使うことができます(ローミング設定は必要)。なおかつ普段使っているfacebookやLINEをなどのアプリも問題なく使えます。
値段も1200円程度で1週間5GBですので、3泊4日くらいなら問題ありません。足りなくなってもチャージできます。香港SIMはamazonでも購入可能ですので、SIMフリー端末を持っている人はこちらの利用がおすすめです。
※現在2GBのSIMカードが5GBに増量されているものと、そうでないものの2種類があります。容量は大きいほうが安心ですので5GBのSIMカードを購入しましょう。
ただし、初期設定がスムーズにできないこともありますので、スマホの設定をある程度自分でできる人でないなら、他の方法で接続することも考えておきましょう。
結局どうすればLINEやfacebookを使えるようになるの?
ここまで読んだ人はなんとなく接続方法がわかったかと思いますが、結局どれを選べばいいか分かりませんよね。結論としてどのような優先順位で選べばいいのかご紹介します。
1.シムフリー端末を持っていて自分で設定できる
YES:amazonで香港SIMを購入
NO:2へ
2.auのスマホを使っている
YES:auの世界データ定額サービスを使う
NO:3へ
3.VPNの設定を自分でできる自信がある
YES:有料のVPNサービスを契約する
NO:4へ
4.レンタルWi-Fiを利用する
3〜4はVPNを使いますので、繋がらない可能性もあります。au以外のユーザーはちょっと悩ましい状態にありますが、絶対にLINEやfacebookにつながらないと困るということもそうはないはずです。
ちなみにレンタルWiFiの中でも、VPNを使わずに香港SIMと同じ仕組みを使ってアクセスできるサービスもあります。docomoやソフトバンクユーザーでできるだけ安く、確実に繋げたいという人は、そちらも利用も検討してください。
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