かつて中国で最も活気のあった場所が王府井です。北京オリンピック以降やや寂れた雰囲気がありましたが、ここにきてまた勢いを取り戻し、にぎやかだった頃の王府井が戻りつつあります。
お土産を買うにしても、夜市を楽しむにしても外せないスポットのひとつがこの王府井です。ここでは、そんな王府井観光を楽しむためのポイントをご紹介していきます。
王府井の歴史
王府井はその名前からも分かりますように、かつて王府の井戸があった場所とされています。実際にかつて井戸があったとされる場所には、マンホールの蓋のようなものが設置されています(本当にそれが王府井なのかは不明)。
清王朝時代には王族や貴族の邸宅が多くあり、すぐ西側にある紫禁城に毎日通っていた場所でもあります。ただし、現在は大規模なショッピングストリートへと変わっており、当時の雰囲気はほとんど残っていません。
唯一歴史を感じられるのは、王府井南側に建つ北京飯店です。1900年に開業した歴史あるこのホテルは、すでに当時の姿とは違いますが、清王朝末期には世界中のメディアが拠点とし、戦後は迎賓館としての役割を果たしています。
現代の王府井は大きなデパートと小さなお店が入り混じり、少し混沌としています。建物自体の老朽化が進んでいるため、北京の中では「古い」という印象を受ける場所ですが、それでも中国全土からこの場所を目指して観光客がやってきます。
王府井といえば王府井小吃街
王府井は中国人だけでなく、日本人を含めた海外からの旅行客にも人気のスポットです。観光客の目的は「王府井小吃街」です。北京は夜市がほとんどなく、屋台ご飯を食べられるのはここだけです。
メインとなるのは王府井小吃街で、サソリやヒトデなどのゲテモノや、臭豆腐や爆肚といった北京の名物ともいえる料理を、屋台形式で楽しむことができます。
ただ、いざ食べようとなると、お店の数が多すぎてどれを選んでいいのか迷ってしまいます。
- 爆肚
- 羊肉串
- 春餅
このあたりがまず間違いない料理です。ただ、せっかく王府井に来たわけですから臭豆腐やサソリなども食べてみましょう。サソリは美味しいというわけではありませんが、ビジュアルがいいのでSNS投稿に最適です。
臭豆腐は好みが別れますが、9割以上の人は「臭い」といって食べることができません。でも中華圏ではとてもポピュラーな料理ですので、ぜひチャレンジしてみましょう。
ちなみに以前は東華門夜市という夜市もありましたが、2016年に営業を終了しています。古いガイドブックでは「おすすめスポット」として紹介されていますが、すでにありませんので注意してください。
王府井はショッピングタウン
王府井はいろいろなお店があり、欲しいものは何でも手に入ります。観光地だから値段が高いかというとそうでもなく、最近はむしろセール品を安く買える場所というイメージがあります。
ただし、これは絶対に行くべきというお店はありません。銀ブラではないですが適当に気になったお店に入ってみるといいかと思います。押し売りされるようなこともありませんし、ゆっくりと商品を見て回れます。
もし普段から何らかのスポーツをされるなら、スポーツブランドのお店を見て回ると面白いかもしれません。中国メーカーの商品はデザインもよく、価格も安いのですが日本では入手が難しいので、ぜひチェックしてください。
- ANTA
- LI-NING
- 361°
ファッションアイテムとしても使えますので、スポーツをしないという人でも、ぜひチェックしてみてください。
中国語の本やCDが欲しいという人は「王府井書店(王府井书店)」がおすすめです。おそらく北京で1番多くの書籍を取り扱っているお店です。日本の小説を中国語に翻訳した本もありますので、ストーリーが分かれば読みやすいかと思います。
その他にもお土産になるものも多く、最新中国ブランドも揃っています。ごちゃごちゃし過ぎていて商品を探しづらいという人は、王府井書店の隣りにある東方新天地がおすすめです。
東方新天地は比較的新しいショッピングモールで、地下1階にあるフードコートは評判も良く、1人ご飯をするにはとても便利です。フードコートは現金ではなく専用のカードで支払いをします。
- 入口で専用のカードを購入(とりあえず100元でOK)
- お店を見て回る
- 気になったものを指差し注文
- 座席を確保
- 料理ができたら呼び出しされる
- 食べる
- 退席(後片付けは不要)
- カード残金の払い戻し
基本的な流れはこんな感じです。とても分かりやすいブログがありますので、そちらをリンクしておきます。このブロクを見たら、まず間違いなく行きたくなるはずですが、どれも美味しそうで……
王府井の美味しいグルメ
王府井には王府井小吃街もありますし、東方新天地のフードコートもありますが、いざ食事をしようとなるとなかなか決め手になるお店が見つかりません。お店の数が多すぎて「ここがいい!」と決められません。
このあたりが人気店ですが、天津狗不理包子は活気があるわりに、意外と地元の人からも観光客からも評価が高くありません。
とはいえ美味しいお店を探すポイントは、お店に活気があるかという点がとても重要です。北京の人が行列を作るようなお店なら、まず間違いありません。でも、王府井だから並んでいるということもあります。
それが王府井での食事を難しいものにしています。
自分で探すのが難しいなら、四季民福烤鸭店や東来順飯莊といったハズレないお店を選ぶようにしましょう。でも、正直なところ東方新天地のフードコートで十分に楽しめます。ひっそりとですがビールも売ってますしね。
王府井は街ブラをする場所だと割り切って、美味しいお店は他の地域で探してみましょう。
王府井へのアクセス
地下鉄1号線:王府井駅下車
王府井は地下鉄1号線の王府井駅を下車し、王府井大街を北側に向かって歩いていきます。天安門からも歩けないことはありませんが、思ったよりも距離がありますので気をつけてください。
王府井の井戸を見たいという場合には、地下鉄5号線の灯市口駅から歩くのもおすすめです。灯市口駅から西へ向かえば、王府井天主堂があります。1904年に建てられた歴史的建造物のひとつですので、こちらを訪れてから王府井へ向かうのがおすすめです。