賑やかさと古き良き北京が共存する「什刹海」

北京はこの数年で一気に国際都市に発展しましたが、北京観光をする人にとっては「古き良き時代の北京」を見たいという思いもありますよね。とはいえ、何もない胡同を歩くのも退屈です。

そこでおすすめしたいのが、什刹海エリアです。古い町並みが残っていますが、観光スポットとしても賑やかさもあります。しかも前門や王府井ほどは混雑していませんので、程よい居心地の良さも味わええます。

ここではそんな什刹海について、その魅力をご紹介していきます。

3つの人工湖からなる什刹海

ガイドブックなどを見ると、什刹海を「后海」や「后海エリア」と紹介していることもあります。正確な表記をすると什刹海は后海・前海・西海という3つの人工湖を合わせた湖の総称で、什刹海という湖があるわけではありません。

位置関係としては、1番南にあるのが前海、真ん中に位置するのが后海、そして北側に位置するのが西海です。

バーが立ち並ぶエリアが前海、少し落ち着いた雰囲気のお店が点在するのが后海、北京の庶民が暮らす西海というように地域ごとに雰囲気が違います。最も賑わっているのが前海と后海の間にある銀錠橋(银锭桥)周辺のエリアです。

ただ、どのエリアもそれぞれの趣がありますので、目的に応じて使い分けてみましょう。どのようなシチュエーションで活用するのがいいのか見ていきましょう。

北京の最新音楽と歴史が詰まった前海

初めての北京観光なら、まずは前海に行ってみましょう。湖の西側にはレストランやバーが立ち並び、夜になるとあちこちのお店から最新の中国音楽が聞こえてきます。お酒を飲みながら生バンドの演奏を楽しんでもいいですし、散策しながら耳を傾けるのもいいでしょう。

ぜひ訪れてもらいたいのが、前海の東にある万寧橋です。この橋が特別なものというわけではありませんが、実はここから上海までが1本の運河で繋がっていて、世界遺産として登録されています。

地元の人でもあまり知らない北京の世界遺産のひとつですので、ぜひ訪れてみてください。万寧橋も含めて、ぐるっと1周すれば北京のいろいろな表情を楽しむことができます。

少し足を伸ばせば、清王朝時代の皇族の邸宅である恭王府もあります。清王朝時代の名残りが最も色濃く残る建物で、風水的にも最高のパワースポットとされています。ぜひ恭王府も訪れておきましょう。

愛読書を片手にのんびり過ごしたい后海

后海は清王朝時代の貴族が暮らしたエリアということもあり、現在でもとても落ち着きがあります。高級レストランや雰囲気のいいお店があちこちに点在しているため、美味しいお店探しが楽しいエリアでもあります。

訪れておきたいスポットとしては「宋慶齢故居」があります。宋慶齢は宋氏三姉妹の1人で、孫文の妻といえば中国の歴史を学んでいる人なら分かるかもしれません。国母として様々な国際活動に参加し、1951年には「中華人民共和国名誉主席」の称号を授与しています。

歴史に詳しくない人でも、庭園の美しさを楽しむことができますので、散策の途中にぜひ立ち寄ってみてください。

后海はとてものんびりした場所で、公園では地元の中国人が卓球をしていたり、后海を泳いでいたりします(遊泳禁止ですが)。そういう場所ですので、愛読書を片手に散策するというのがおすすめです。

湖の畔で、蒼穹の昴などの北京が描かれた小説を読んだり昼寝をしたりすれば、北京で暮らしているような感覚で過ごすことができます。

北京で最も美しい夕日が見える西海

西海は観光スポットとなる場所がほとんどありません。北側に匯通祠(汇通祠)があるくらいで、そもそも西海に日本人観光客が行くことはほとんどありません。地元の人たちが釣りやBBQを楽しんでいるエリアになります。

でも、ここには北京で最も美しい夕日を見ることができます。

天気次第ではありますが、よく晴れた日は夕日を見るためだけにここを訪れてもいいくらい、絶対に見てもらいたい風景がここにはあります。夕日を眺めながら、地元の人たちと同じ時間の流れを味わう。

北京観光の上級編となる楽しみ方ですが、すでに何度か北京を訪れていて、観光スポットではなく、ディープな北京を味わいたいという人におすすめです。

お買い物なら銀錠橋から煙袋斜街へ

風景や歴史を楽しむことができる什刹海ですが、お買い物を楽しみたいのであれば銀錠橋から煙袋斜街に向かいましょう。煙袋斜街はレトロな雰囲気を残した観光エリアで、オシャレなお店が並んでいます。

雑貨が中心ですが、羊肉串で有名な烤肉季もあります。もし羊肉が苦手でなかったら、烤肉季の羊肉串は必ず食べておいてもらいたいグルメのひとつです。ファストフードのように気軽に食べられますので、ぜひ挑戦してください。

煙袋斜街には大清郵便局という、ちょっとした郵便局博物館があります。絵葉書などが売られていますので、ちょっとしたお土産が欲しいという人におすすめです。

王府井や前門とはまた違った雰囲気があり、それでいてオシャレなアイテムが揃っていますので、ゆっくりと時間をかけて1店舗ずつ見ていきましょう。きっと「これ欲しい」と思えるアイテムに出会えるはずです。

什刹海へのアクセス

地下鉄8号線:什刹海駅
地下鉄6号線:北海北駅
地下鉄2号線:積水潭駅(积水潭 )

什刹海へは地下鉄8号線の什刹海駅で下車し、A1・A2出口から地上に出てください。そこから少し北上すれば煙袋斜街の入口があります。そこから煙袋斜街を通り抜けた先に銀錠橋があります。

前海側からアクセスしたい場合には、地下鉄6号線の北海北駅を利用しましょう。大通り沿いを東に500m歩けば、前海の南端に到着します。

少しイレギュラーなアクセス方法ですが、地下鉄2号線の積水潭駅から西海の北側に向かうという方法もあります。万里の長城からバスで戻った場合には、積水潭駅近くの徳勝門(德胜门)に到着しますので、そこから什刹海に歩くというのもおすすめです。